丹々荘日記
東京在住 2児の父 サラリーマン、アマチュアバンドマンにしてハーレー乗り(持っているだけ?)の日常をつづっています。
2020年12月2日水曜日
とにかく死なないためのしょぼい投資の話 / えらいてんちょう(矢内東紀)
人生がときめく片づけの魔法 / 近藤麻理恵
今更この本?って感じだけど、カミさんさんの本棚にだいぶ前から入っているのをみて、先日手に取ってみた。著者は「こんまり」と呼ばれていて、なぜか世界で最も影響力のある100人に選ばれたりしているという。片付けの先生がなぜ?というのもあり。
読んでみて理由が分かった。この本は片付けのハウツー本ではない。この人は片付けを人に教えているのではない。もっと大きなものを会得し、それをみんなに広めているのだ。人生にとって大切なものは何か?そのような大きな問いから片付けを行っているのだ。
なるほどなーと思った。今日自分の持っている服の1/3くらいを処分した。自分の持っている本の半分以上を処分した。結構簡単にできる。ときめくか、ときめかないか。それが問題。
2020年10月27日火曜日
ぼくは勉強ができない / 山田詠美
ならずものがやってくる / ジェニファー・イーガン : A Visit from the Goon Squad / Jennifer Egan
私は図書館で借りて読んだのでハードカバーだったのだが、今新品で入手可能なのは文庫しかないようなのでこちらをリンク。
探してでも一生に一度は読むべき価値のある本。ストーリーの組み立てが素晴らしい。そして破天荒、さらに通奏低音としてどうしようもない諦念が感じられる。まさに私好み。13篇の短編小説(小説といえないものもあるが)が、読み進めていくうちに絡み合ってきて時空を超えた大きなパノラマを形成する。出てくる人々がすべからく醒めていて、乾いた感じ。この作者はどうやってこの作品の構想を得たのだろう。ボブ・ディランが静かに歌っているような感じ。読み終わったときの感じも何ともいえない。
こういう本が新潮文庫の100冊に入ればいいのに。
Samba – vision string quartet (Official Video)
2020年10月26日月曜日
一篇の詩に出会った話 / Pippo
たまに飲みに行っている私のお気に入り、大森山王の飲める古本屋、あんず文庫で購入。店主の加賀谷さんも登場します。11人が自分の一番好きな詩を紹介し、それについて近代詩伝道師Pippoさんと対談する、という形の本。
詩の世界って私には今まで、国語の教科書にこういう詩出てきたよねー、のレベルを越えず、どうも敷居が高かったのだけど、この本であげられる詩はそれとは少し違っていて、現代詩もあればテレビアニメの冒頭のナレーション(!)というものもあった。そしてその一篇一篇が、いいなあ、と感じられた。この本の構成が秀逸なんだと思う。以下少し解説。
もし、自分ひとりでその詩をポコンと目にしても、良さがわからないと思う。実際宮沢賢治とか室生犀星の詩も読んだことあるけど、あまりピンとこなかった。この本では、11篇の詩に対して、その詩を大好きな人とPippoさんが話してて、この詩のどんなところが好きなのか、どういうシチュエーションでこの詩に出会ったのか、そういうことが話される。それを読むうちに、ああ、詩ってこう読むんだ、こういうアプローチで詩に近づくんだ、ということに気づく。
この本は詩の世界、という大きな世界に入るよいきっかけになると思う。少なくとも自分はそう感じたし、詩に対するこういうきっかけはいままでなかった。何人かもっと読んでみたい詩人さんもでてきたし、ワクワクするいい本でした。