2003年5月31日土曜日

復活!ベーシスト!









今日は何年かぶりに人前でベースを弾いた。


行きつけのお店の人(テナーサックスを吹く)が、ジャムセッションがあると教えてくれたのでお願いして連れて行ってもらったのだ。ベースを弾くのはもうかれこれ4年ぶりになるのではないだろうか。その前はかなり集中的にバンド活動をしていて、そこそこうまい、と自分では思っていたが、このブランクでどれくらい下手になったのか、それを考えると怖い。


店に行く前に30分ほど家で指慣らしをする。やはり早いフレーズはもう弾けない。頭の中では二倍くらい早いフレーズが鳴っているのだが、それを音にはできない。


彼と待ち合わせてお店に向かう。お店はこじんまりと小さい。しかしかなり人が入っていて、ステージでは年配の女性がジャズのスタンダードを歌っている。バックはみんな譜面を見ながら弾いている。。。難しそう。


ビールを頼んで空いた席に座る。彼が色々な人に紹介してくれる。しかし彼も僕がどれくらい弾けるのかは知らず、なんとなく中途半端な紹介になってしまう。


そのうち彼が呼ばれてサックスを準備し、ステージに上がる。おいおい、めちゃくちゃうまいじゃん。そして守備範囲が広い。どのような曲でもうまく合わせて吹ける。冷汗。。。


その後1時間して、仕切っている人からお呼びがかかる。楽器を取り出してステージに上がる。僕の好きなキーで好きなようにブルースをやってよいと言われる。じゃ、一丁やってみますか。"Messin' with the kid!"


細かいフレーズがやはりうまく弾けない。小節の後ろのほうの音は切れてしまったり、弦を指が滑ったり。たくさんの眼がこちらを見ている。緊張するなあ。でも少し弾くと指がそれなりに動くようになってきた。小さいステージでも照明を浴びてお客さんに向かって演奏するのはいいものだな、と思える。ジャムセッションだからほかのプレイヤーとのやり取りを楽しみたく、他のパートを一生懸命聴きながら弾くが、あまりそういう感じでは弾いていないようだ。じゃ、このさいこっちから仕掛けますかね。


お客さんを見る。僕を指差しつつ頭を振っている人がいる。音が小さいか。やはりアンサンブルになってないのか。その人がブルースハープを持って入ってくる。何だかノっているぞ。ピアニカを持った人も入ってくる。これって結構盛り上がってない?そして結構長くやってるぞ。ネタがなくなってくる。前は色んなネタ(展開できる材料)を持ってたのだが、大分忘れてしまったなあ。あ、終わりだ。ビロビロビロビロ~ン。はい、おしまい。


ああ、気持ちよかったなあ。席に戻ってビールをとると隣に座っていたお兄ちゃんが乾杯してくれる。これは、良かったってことなのか?ハープを吹いていたお兄ちゃんもこちらに来て「良かったですよ~!ブルース好きなんですね?」周りの人も彼に合わせてうなずいている。


これって、まだ自分はいけてるってこと?


皆に聞いてみる。そうなんだって。安定感があって、そして楽しそうに弾いているんだって。


そうなのか。すごくうれしい。


それから何時間かして、セッションが終わりサックスの彼と2人で帰る。彼が別れ際に、


「また遊びましょう」


と言う。50近くのお父さん、それもテナーサックスを自由自在に操る人からのこの一言。とてもうれしかった。


さ、次のセッションに向けて練習だな(笑)





2003年5月30日金曜日

ファーストエイド









子供を保育園に送って、さあこれから会社に行こうと一旦家に戻ろうと家に向かう橋を渡っていると、目の前をMTBがジャンプしながらかなりの高速で横切っていった。気合入ってるなあ、と思っていると、曲がり角からスッと出てきたママチャリに出会い頭激突した。自転車は二台とも空に舞い、地面に叩きつけられた。


目の前で大惨事が起こってしまった。自転車を止めて倒れている二人に近づく。MTBのお兄ちゃんはうずくまっているが外傷はないようだ。大丈夫ですか、といってもうなずいている。ママチャリの女の人は自転車の上に乗っかるようにうずくまり、頭を押さえている。話しかけると答えるが赤い血が流れている。彼女のほうが良くないようだ。彼女を抱えて自転車の上からおろし、道路の脇に寝かせる。


彼女を動かしている間も「すいませんすいません」と言うので意識はしっかりしている。血がポタポタ道路に垂れる。どこが痛いですか、というと頭の後ろを示す。かなり大量に出血している。通りがかりの女の人にここの住所を言って救急車を呼んでもらう。通りがかりの人たちがティッシュペーパーを出してくれるがそれではらちがあかない。今日は暑いだろうと思って持ってきておいたタオルを出して彼女に手渡し、出血の部分を押さえる。しかし彼女は髪が長いため自分にはどこから出血しているのかわからない。そしてほかの人は見てるだけで誰も彼女を触ろうとしない。なんてこった。


お兄ちゃんは起き上がる。大丈夫みたいだ。彼女の実家がすぐそこにある、ということなので彼はそこに知らせに行く。


出血部位が耳のようにも見えるので注意して彼女を見る。少し震えが来ているようだ。「痛い以外に気持ち悪かったりしませんか?」というと「いいえ、すごく痛いです」と言われる。少し圧迫していたほうがよい、とギャラリーの1人に言われタオルを(血が出ているであろう部分に)少し押し付ける。ポタポタ落ちる血は少し収まったように見える。彼はもう少しタオルを用意したほうがよい、といい近所の人がタオルを取りに走る。


そうこうしているとサイレンの音が聞こえ、救急車到着。同時にパトカーも。救急隊員は手際よく傷の部分を探し出し、大きなガーゼを貼って三角巾で止める。彼女を起き上がらせて担架に乗せる。頭以外には怪我はないようだ。


することもないし会社にも行かなきゃなので警察官に自分の住所を言って家に帰る。腕は血だらけだしジーンズにも血痕がついている。腕を洗ってジーンズを洗濯機に入れ、会社に向かう。現場にはもう誰も残っておらず、鑑識の人が写真をパシャパシャ撮っていた。


自転車同士でもひどい事故になる、ということを痛感した。また日常生活の中でもこのような”かなり非日常な”場面に遭遇することもままあるんだな、と。自分がとった処置が果たして適切だったのかどうかわからないので、いつかこういうファーストエイドの講習を受けたいな、と思った。


今日はオチなし。





2003年5月10日土曜日

オツキサマ コワレテル









保育園に愚息を迎えに行く。行くと彼は喜んで出てくる。手をつないで家まで歩いて帰る。まだ外は明るく、もう寒くもない。


彼が空を見上げる。三日月が空の頂きに見える。


「トット、オツキサマコワレテルネエ。」


何という感性。大人になる、教育を受けるということは本当に良いことなのだろうか。


彼のその感性を大事にしてゆきたい。