2007年5月30日水曜日

入院1日目



10:10 入院 受付で入院しに来ました、というと病室のある6階に行くように言われる。今日はピアノが鳴ってなくてクラシックのCDがホールに響いていた。


10:20 6Fのナースステーションに行くと病室に案内される。604号室。はっきし言ってホテル(笑)。机がついててクローゼットとユニットバスがついてて、ちょっといい感じのビジネスホテルって感じ。ま、これで1日3万円は高いが、ま、病院だったらいいのかな。看護師さんが照明などの使い方を説明してくれる。ホントホテルみたい。っつーかホテルよりサービスいいぞ(笑)


10:30 短パンに着替えて待っていると担当の看護師さんがくる。色々これからのスケジュールについて説明。今日の晩飯までは食べられるが明日は午後3時まで禁飲食だそうだ。明後日の朝食と昼食は二種類から選べるそうだ。献立を見る。朝飯は洋食か和食、昼食はマーボー茄子か茄子と挽肉のはさみ焼きを選べる、って同じ材料じゃん。。


明日の手術室入室は9:30、手術時間は約1時間。この後午前中声の測定(?)をして昼飯後13:00から診断。


待ち時間にPCでインターネットにつなごうとするがうまくいかず。オフラインで入院記を書くことにする。


11:40 くらいから声の検査。いろいろな高さ、強さの声を出して、またその声を出すのに私が使っている空気の量を測る。3月末に測ったときとより普段の声に使う空気の量が減っている。良くなってるの?そうでもないらしい。後は術後の注意。術後1週間は完全沈黙&禁酒。咳払いは慎み、咳やくしゃみも最小限に。術後2週間目は声を出し始めていいが必要最小限に。術後3週間目から普通にしゃべっていいが歌い始めてよいのは術後4週間目から。ということは17日のライブには歌えない、ということだ。


12:10 f:id:tantanso:20070530122216j:image:right病室に帰ると昼ご飯が運ばれてくる。御飯、カニクリームコロッケ、大根のサラダ、グリンピースのペイザンヌ、コンソメスープ。金縁の入った磁器の皿に病院の名前が書いてある。どこで食べようか迷うがせっかく入院しているのでベッドを起こしてベッドの上で食べる。楽チンだ。そしてぜんぜん病院の御飯という感じはせずおいしい。コックもそれなりの人なのだろうなあ、ここは。盛り付けもきれいだもの。「グリンピースのペイザンヌ」なんてシャバじゃ食べたことないよ。グリンピースとベーコンと玉ねぎを煮たような料理だった。量も少なくてセレブっぽかったのが唯一不満か(笑)


12:45 外は雨がパラパラ降っている。窓の下の通りでは昼ごはんを食べに出たのであろうOL風の女の人ややスーツを着た男の人が傘をさしている。ここは全く別世界なのに。


13:10 診察。執刀医が見てくれる。この人の指はいつも煙草くさい。ファイバースコープで見るとポリープは前回と同じ大きさ、固さなのだそうだ。後から見せてくれた画像でも確かにそうだった。まだ私のポリープは軟らかいので声が出るし取りやすいのだが、そのうち固くなってくるとものすごいしわがれ声になるのだそうだ。なので早く取った方がいいんだとさ。全身麻酔で寝ている時間はどれくらいなのか聞くと30分ほどだそうだ。へそにピアスが入っているんだけど、と言ったら「電気メスとか使わないからウチ的には問題ないけどそれは麻酔科にも質問しておいて」と言われた。明日顕微鏡を口から入れるので、顕微鏡と前歯が当たって歯が欠けないように歯を保護するマウスピースの上顎分だけをつくる。お湯に入ったゼラチンのようなものを歯にはめて5分間押さえておく。最初は看護師さんが押さえていてくれたがそのうち自分で押さえるように言われる。かなりマヌケな格好で押さえる。無事マウスピースも完成して病室に戻る。


13:50 看護師さんが来てこれからすることの流れを説明してくれる。血圧と体温も測る。下80上130、36.4℃、正常。夕方に麻酔科の先生が問診に来て今日は終わりなのだそうだ。今日夜9時以降は禁飲食。水も飲んではいかんらしい。手術中に吐いちゃうとまずいしね。雨が本降りになってくる。窓の下の道路を薄緑色のカッパを着た駐車違反取締員が歩いてゆく。夜外出しますか?と言われた。歩いてすぐのところに東京ミッドタウンがあるしどうですか、と言われたが雨が降っているし1人でぶらぶらしてもしょうがないのでそれはしないことにする。


14:30 上の階にある売店に行ってT字帯を調達する。売店は病院の売店らしくショボい。晒(\420)とガーゼ(\525)があってガーゼのほうが肌触りが良いのだそうだ。当然ガーゼを買う。同じ階にはレストランもあった。メニューを見たらブレンドコーヒーが¥600だった。病院の外で飲んでも同じ値段だ。。でもこちらのほうが静かでいいかも。変な菌に感染するかもしれないけれど。





15:10 おばさんがお茶を持ってきてくれる。紅茶とグレープフルーツマーマレードブッセ。ベッドの上でお茶を淹れておやつの時間を楽しんでいると麻酔科のお医者さんがやってくる。若くてニコニコしてて、自分の眼をまっすぐ見て話す人。通り一遍のことを聞かれて特に問題はなく問診は終わる。ボディピアスのことも話すが「ま、オッケイにしておきます」と。最後に何万人に1人か麻酔薬と筋肉が過剰に反応して高熱が出て死に至る、という全身麻酔でのリスクを説明してくれる。ま、それぐらいの確率なら交通事故にあうこともあるからね。一旦彼は退室するがまた戻ってくる。


「あの、その、ひ、ヒゲはとっておきたいですか?」


チューブなどを口の横に固定しておくためにテープを貼るのだが、ヒゲが生えているとうまく固定できないことがあるらしい。大学病院だと問答無用で剃らされるのだが、「こういう特殊な病院なので患者の意向を最大限尊重する」のだそうだ。別に手術後一週間は閉門蟄居で誰にも会わないし、その間にヒゲはまた生えるので、今夜剃っておきますよ、と応えた。安心した様子で彼は帰ってゆく。今日の予定はこれで終了。


消防車が何台かミッドタウンの方向にサイレンを鳴らして走ってゆく。雨が強くなってきた。


何かするのにも疲れたのでベッドに横になって新聞を読む。するとそのまま寝てしまった。どうも疲れているようでよく眠れる。他の部屋でガタンガタン音がする。何の音なのだろうか。麻酔科の先生三たび来訪。寝てたので半分頭が回らなかったが、ベッド交換のときに引っかかるといけないのでボディピアスは外してください、のようなことを言われた。


しばらくして目が覚める。クリアな頭で考えるとどうもおかしい。引っかかるだけだったらテーピングかなんかすればいいじゃん。これ取るともっかい入れるの大変なんだよね。そうだよね。ナースステーションに言いに行く。


しばらくして麻酔科の先生四度目来訪。ベッドサイドに正座して話し始める。正座している、という行為でもう外さなきゃなんだろうなと思いつつ彼の話を聞く。引っかかるという話は一例で上の人とも話をしたのだが手術室には私物を持ち込んではいけない、ということ。指輪が外れない人とかは切って手術を行うらしい。なんだか物騒になってきたなあ。耳鼻科の先生は患部だけ見ているが全身麻酔をしている私の体全部の管理は麻酔科と手術室の看護師がやっている、という話。だから外してほしい、さっきオッケイと言ってしまって申し訳ない。という内容であった。これ以上ゴネても何も変わらないと思われ、わかりました外しましょう、という。彼はホッとして帰っていく。


17:55 晩御飯が運ばれてくる。これもおいしそう。献立表から転記すると


御飯 すきやき 里芋まんじゅう もやしとにらの胡麻油和え もずく酢 味噌汁


すき焼きは薄味で春菊がおいしい。里芋まんじゅうは里芋のピューレみたいなものでゆずの風味が利いている。もやしとにらは字の通り(笑) もずく酢がうまかった!きゅうりがシャキシャキしていてドロッとしたもずくとよくあうこと。そしてわさびが添えられていてこれを混ぜるとかな~りオトナの味。あっという間に平らげてしまう。9時からは禁飲食なので持ち込んだ月餅をデザートに食べる。


19:00 看護師さんが来て体温と脈拍を測る。人が替わった。夜勤の人なのだろう。9時にまたヒゲを剃ったかチェックしに来るという。


20:20 シャワーを浴びてヒゲを剃る。この病室にはホテルと全く同じ仕様(一流ホテル用じゃなくてビジネスホテル用だけど)のユニットバスがついている。口ヒゲもあごヒゲも全部剃る。髪の毛より長いヒゲなのでなかなか一度では剃れない。やっと完成。鏡を見るとかなり別人(笑)髪の毛を坊主にするのはあまり恥ずかしくなかったがヒゲを十何年ぶりかに全部剃ってしまうのは恥ずかしいなあ。。そして剃り跡がヒリヒリする。アフターシェーブローションなんて持ってきてないし、何か病院でくれないかなあ。


21:00 看護師さん見回りに来て検温と脈拍測定。「別人のようになりましたね」と言われた。そりゃそうだろ。


そのあとテレビ見たりして寝る。24時過ぎに人の気配を感じて起きると看護師さんが見回りに来ていた。あわてて逃げ帰る看護師さん。なんか言えばいいのに。掛け布団が短くて足が出る。クローゼットからもう一つ掛け布団を出して足にかけて寝る。よく眠れた。





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