結構時間がかかったけど新訳も読み終えました。感想は「やっぱ今読むなら新訳のほうがいいなあ」っす。どちらか選べ、と言われたら迷わず新訳でしょうね。まあこの本が出て初めて訳されたのが約50年前だから、日本語も結構変わっているよね。
古い訳では何を言っているのかわからなかった部分が理解できたり、ケルアックの言葉遊びが少し理解できたりとか、原書のニュアンスがより深く理解できました。原書を読めばいいのだろうけど(そして想像するにそんなに難しい英語は出てこないと思うのだが)、日本語でもあれだけ分厚い本になってしまい、読むのに何日もかかるのだから、リチャード・バックのイリュージョン(中編くらいかな)を原書で読もうとしてあっさり挫折した私には無理でしょう。
地下鉄の中でこの本を読んだのだが、東京の都市のリズムと、ケルアックが書き出そうとしているアメリカ社会の暗い部分が私の中ではシンクロして、本の内容がリアルに感じられた。音楽についての記述、ケルアックがこの本を書いていた時代のバップ・ジャズっていうのかなあ、チャーリー・パーカーとかの時代のジャズや、ペレス・プラードのマンボについての記述なども多く、この描写のしかたが彼一流でいいなあ、と思った。
そして今最後に読んでいる訳者、青山南さんによる解説、これがまたおもしろい。この本は一冊手元に置いておいて老いたらまた読んでもいいかも。でもそのときにはまた新訳が出て欲しいなあ(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿