2010年2月25日木曜日

国家の品格 / 藤原正彦



国家の品格 (新潮新書)


かつてのベストセラー。ブックオフにふらっと入ったら100円で売ってたので同じく100円だった女性の品格と揃いで買ってみた。


中身は、うーん。。


間違ったことは言ってないし論旨はごもっともと思う。これからの日本人は歴史的な日本の価値観に重きをおいて世界と対峙すべし、それは大いに賛同。


だけど納得感が少ない。分かりやすい例を引いて解説してくれるのだが、その例示その証拠だけでそこまで大きく括って言い切っちゃう?的な所が目につく。


なるほどな~、と思うよりもそれはそうなんだけどさ~なんか論拠弱くない?って感じ。


でもこの本が売れた理由はわかる。反グローバリゼーション、論理に重きをおく西洋社会の限界、右傾化、誇りを取り戻せ日本人、など今の日本人の気分にうまく沿ったトピック、講演から原稿を起こしているせいか平易な日本語とわかりやすい例示及び論理構成、そしてとっつきやすい新書というフォーマット。


悪い本ではないと思うけど、何だろうなあ。情緒、を振りかざす所は論理的な人には受け入れ難いだろうし、見え隠れする右翼的思想は私のこの本に対する評価を微妙なものにする。


こういう論旨の本であれば谷崎の陰影礼讃が私的にはオススメだな。難しいかな。





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