2010年7月15日木曜日

福田君を殺して何になる-光市母子殺害事件の陥穽- / 増田 美智子



読む前は、死刑囚への憐れみ、または死刑廃止論という立場に立ち無条件に彼を救おうとする無鉄砲な人の書いた本だろうと思っていた。


しかし読んでみると、彼女は報道され世間で作り上げられている彼のイメージと実際に会った彼との間のあまりにも大きな差を見るにつけ、それはどうして起こってしまったのか、それを埋める方法はないのか、と様々な取材を行ってゆく。


彼女の取材手法は如何なものかと思う。読んでで不快になる部分も少なからずあった。


しかし、彼女の浮かび上がらせたかったもの、えぐり出したかったものはそこまでしないと出てこなかったのかもしれない。


この本がいい本か、と問われるとそうでない、と答える。しかし、結果的にこの本は様々な問題を鮮やかに描き出してしまっている。なんという本なのだろうか。。。





0 件のコメント:

コメントを投稿